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イモリコラム

石を使わない -イモリウム六代目水槽起ち上げ記録(6)-

六代目イモリウム水槽の起ち上げ記録の第六弾です。前回は低床(陸地部分の)を使わないというレイアウト方法を紹介しましたが今回はアクアテラリウム業界の常識を覆すレイアウト方法を紹介します。

それは「石を使わない」です。

六代目水槽ほぼ完成

こちらが六代目イモリウム水槽のレイアウト(ほぼ)完了状態です。こちらを見て分かるかと思うのですが今回のレイアウトでは陸上部分も水中部分も石を使うのをやめました。ところどころ石っぽく見えるのは全部流木で、濡れて黒っぽく見えているだけの状態です。

水質に影響を与える -石を使わない理由(1)-

石を使わずにレイアウトしたのは今回が初めてだったのですが、その一番の理由は「水質への影響」です。イモリ飼育を始めた当初はそれはもう石を使いまくってました。むしろ石を中心にレイアウトを考えていたぐらいなのですが、アクアテラリウムのことを色々勉強していくうちに「石は水の硬度を上げることがある」という情報にたどり着きました。厳密に言うと…

弱酸性化した水の”酸”が石を溶け、石のミネラル分が水中に増えていく(結果、高度が上がる)

ということらしいのですが、アクアリウムの動画やWeb上の解説を見るとどこでも「水は弱酸性の軟水だ!」と書いてあります。それを真に受けて僕もひたすら弱酸性の軟水を目指してアクアテラリウムしていたのですが、弱酸性の方はなんとかなっても軟水化の方がなかなかうまくいきません。

ある時、「リベラ総硬度テストキットTH」を使って初めて硬度を計ってみたらTH150〜160という数値になってかなり驚きました。TDSめーたーでも調べてみたところこちらも160くらいの数値になり、自分の飼育水の現実を知ることとなりました。

ただ、勉強したところ「硬度が高くなる原因がすべて石にあるとは限らない」ということも分かっていたので、やるべき対処法も色々考えたのですが、どうしても回避できない原因にぶち当たりました。それは水道水の硬度とTDSがそもそも高いということです。

僕が日々大勉強させていただいているYouTube「ふぶきテトラ」さんでは検証企画のたびに水道水の硬度とTDSを測って教えてくれるのですが

(ふぶきテトラさん)硬度:GH2.8(TH換算だと50)TDS:70〜80
(我が家)硬度:TH90TDS:120

が、大体の値です。「全然違うやないかい!」と。ふぶきテトラさんのお住まいがたしか北海道??、一方の我が家は東京です。地域で水道水の水質がこんなに違うことにも驚きましたし、これだけ違うのであればその対策も我が家に合ったやり方を考えないといけないことに気づきました。

TDSは下げられないので上がらないようにするしかない

これも色々勉強していく中で分かったことなんですが、硬度は後から下げることが可能です。ウォーターエンジニアリングさんの「リバースグレイン ソフト6.8」を使ったら(我が家の場合は)バッチリ軟水化に成功しました(TH30くらいになった気がします)。ただし、TDSを下げる方法というのはあまりないみたいなんです。

TDSという数値は、正確には硬度ではなく水中の不純物の量(←いずれ詳しく説明します)を測ったものなのですが、石から溶出したミネラル分もそれに当たるのでできれば高くない方が良い。TDSは高いとコケは確実に増えるので低いに越したことはない。だけど、TDSを下げる方法は少ない…となると取るべき手段は「TDSを上げる要素を排除すること」です。

その対策として一番やりやすかったのが「石を使わない」です。石さえなければ水中にミネラルが溶け込むことはありません。砂利だけはやむを得ず使ったのですが、それも水質に影響がないと言われているADAの「アクアグラベル」と「津軽プレミアム」にしました。

実は以前紹介した「さらば鉢底石」や「造形君を使わない」をしていたのもそれが理由で、水中に入り込む可能性があり、TDSが上がる可能性があるものを極力削るための対策でした。さらに「さらば鉢底石」でも紹介した「パワーハウス ベーシック(ソフトタイプ) Lサイズ 5L」は、これまで調べた中では数少ないTDSを下げる素材としてふぶきテトラさんで紹介されていたので鉢底石の代用品として使用しました。

イオン交換樹脂は効果は期間限定。なのでより長く使えるものを

硬度に関して「リバースグレイン ソフト6.8」を使えば軟水化できる、と描きましたが「リバースグレイン ソフト6.8」の主たる成分であるイオン交換樹脂には効果が持続する期間というのがあって、だいたい3〜6ヶ月だそうです。我が家の場合でも使い始めた当初ははっきり効果が表れたのですが、この六代目水槽を起ち上げを考え始めた頃(約6〜7ヶ月後)には効果が失われたのか、硬度はTH90くらいに戻ってしまいました。

「リバースグレイン ソフト6.8」自体がそれほど安くないし、交換の手間もかかるし、そもそも3〜6ヶ月で効果が切れるのはちょっと残念…ということで、ここでも別の対策を考える必要がありました。そこでもやはり必要だったのが「石を使わない」で、石の代わりとして「流木を使う」ことにしました。

流木は基本的に水質を軟水化する効果があります。イオン交換樹脂ほど強力ではないとは思いますが、石を使っていない以上、石のせいで硬度が上げることはありえません。さらに「低床を使わない」で解説した低床の嵩上げに流木を敷き詰めたり、その隙間を埋めるのにバークチップを使ったのも同じ理由です。流木を使うことで軟水化にも期待ができるというのであればこれ以上のことはありません。

そして「パワーハウス ベーシック(ソフトタイプ) Lサイズ 5L」も「ソフト」という名前通り、軟水化させる濾材なのでイオン交換樹脂に頼らずしかも長期間効果が持続する代替品として使用しました。

対策の結果は(たぶん)大成功!

それらの研究の成果を試した結果、我が家の水質は…

硬度:TH60/TDS:110

となりました。これは起ち上げから4ヶ月ほど経過した現在も安定した数値として継続できています。これはおそらく成功といっていいんじゃないでしょうか。(phも6.5〜7ぐらいをキープしてます)

ふぶきテトラさんで見るような数値には及びませんが、その土地々々にあった改善策があるということを知れた意味でもこれは成功じゃないかと思います。

とにかく重い -石を使わない理由(2)-

石を使うのを辞めた理由、もう一つは当たり前のことですが「重い」です。上記した水質に関する理由はあくまで水の中のレイアウトの話なので、陸上部分のレイアウトであればそれほど過敏になる必要は本来ないはずなのですが、この重さが気になったのには別の理由がありました。

その理由は今使っている水槽「グラステラリウム」に起因するものです。GEXさんから販売されている「グラステラリウム」ですが、これは元々トカゲなどの爬虫類を飼育するための容れ物として販売されています。そのため冬場などの低温期にヒーターを差し込めるように底面に数cmの隙間が設けられています。これは爬虫類飼育している方なら当然の仕様だと思うのですが、そんなことは一切関知していない僕は「グラステラリウム」を開封した時にそのことに気が付きました。底上げされた底面は四隅の足で支えられてはいますが、底面自体の支えとなるような支柱的なものは通っていません。しかも底面は全面ガラスです。つまり「グラステラリウム」は、その中にレイアウトされているもの全ての重量をガラス板一枚で支えているということです。

「これ、底面のガラス割れたら底抜けるじゃん…」

その明らかな事実を前に僕は到着時に「グラステラリウム」に同梱されていた緩衝材でちょうどいい厚みだった発泡スチロールを2本を捨てずにスッと底上げされた隙間に差し込み、申し訳程度の補強をしました。

ただし、この水槽の仕様は「グラステラリウム」がイモリではなく爬虫類飼育のための容れ物であるが故のことで、爬虫類を飼育するためのレイアウトでは低床をそれこそバークチップなどが使われている写真もよく見ますし、低床自体を厚くする必要がないのでレイアウト全体が軽いのです。だからガラス板一枚でも支えられるということなのですが、イモリ飼育の場合はまず一番下に水を張ります。その水自体が結構な重さがある上にさらにレイアウト素材を重ねていくことになるのですが、その中でも石はトップクラスの重さです。

今僕が使っているのは「グラステラリウム6045」という「グラステラリウム」の中でも大きい部類に入る容器なので、その分レイアウトに入れられる素材の量も多くなります。前回のレイアウトの際には人の顔よりも大きい石を2〜3個使ったのですが、底が抜けたらどうしよう?抜けないよね?という不安は作業しながら常にどこかにありました。

ただ、イモリを飼育する上では「グラステラリウム」以上に使える容器が今のところ見つけられていないのでこのまま使用するしかありません。でも「できるだけ中身を軽くしたい」。そう思った時に減らすもの、削るものとなったら、まずは石からということになりました。

結論:石はなくてもレイアウトできる

水質の問題と重さの問題。その両方を解決するために六代目水槽は石を使わずにレイアウトをしました。その結果が冒頭に掲載した写真となるのですが…どうでしょう?個人的にはそんなに悪くないなと思っています。悪い悪くないというよりは「石を使わなくてもレイアウトはできる」という経験を積めたことが良かったかもしれません。多少殺風景に見えるかもしれませんが、一応それも今回の起ち上げの計画のうちにあるのでそれについては別でまたまとめたいと思います。

ということで、六代目イモリウム水槽の起ち上げ記録もいよいよ終盤。これまでレイアウトには当たり前に使われるあらゆるものを”使わないしリース”としてまとめてきましたが、次回は逆に今回の起ち上げで”使いまくったあるもの”の解説をしたいと思います。

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